ついつい本心が出てしまっていた。
《まぁいい。ところで明日なんだけどな、俺と圭が学校に行くまでに2人の机を綺麗に拭いておけ》
「はぁ? なんであたしがあんたたちの机を拭かなきゃなんないのよ」

《文句があるのか?》
「だって、机は放課後の掃除時間にちゃんと拭いて……」
『いるじゃない』という最後の言葉は遮られた。
《俺の言う事は絶対だ。わかったな?》

「えぇ!? ちょっと待ってよ!」
あたしが待てと言っても晴は待たない。
ブチッと切られた電話に、残るのは機械音だけだった。

あたしはアングリと口を開け、それからスマホをベッドに投げ出した。

怒りにまかせ、部屋の中にあるウサギクッションを何度も何度も殴りつける。
「この、人でなし!!!」
ウサギの顔に晴を思い浮かべ、あたしは更に殴り続けたのだった。