突然をキスを奪われた俺は、しばらくシャワーを浴びたままその場に立ちつくしていた。
「まるで嵐みたいな女だな……」
そう呟き、プッと噴き出す。

やっぱり最初感じた通りの女だ。
普通とは違う。
真っ直ぐな目をもった女。
「仕方ねぇなぁ」

俺はシャワーを止めて内に秘めていた圭への怒りを再確認した。
本当はわざとこかされて賭けに負けた時から、この怒りは持ち続けていた。
でも、カヤの安全を手に入れるために目立った動きは控えていたのだ。

俺はシャワールームから出て、先に外へ出ていったカヤの残り香を吸い込んだ。
「まっていろよ、白狗の圭」
俺はこの時、好きな女のためならどんな事でもできるのだということを、肌で感じていたのだった。