ついに晴の前で全裸になってしまったあたしは、備え付けのバスタオルを巻いていた。
「い、いいよ……」

そう言うと、晴はクルリと振り返る。
死ぬほど恥ずかしくて、鼻血と火を同時に拭いてしまいそうだ。
でも、女たるものこれはいつしか経験する恥なのだ。

そして、あたしは今その恥に直面している。
あたしはこのとてつもなく恥ずかしい状況を乗り切ってみせる!!
妙な所で力んでいると、晴が手招きをした。

「早く入ろう、髪までドロだらけだ」
「う、うん……」
手なれている晴に少しだけ胸がキシム。
あたしは戸惑いつつも、晴と同じシャワー室へと足を踏み入れたのだった。

学校のシャワー室には十分な広さがなく、2人で入ると強制的にくっつかなければいけない状況だった。

でも、これなら背の高い晴の顔をみなくてすむので、あたしは少しだけ恥ずかしさを忘れることができた。
「カヤさ、なんでそんなに頑張んの?」

晴があたしの頭に暖かなお湯をかけながら、そう言った。

「別に頑張ってないよ?」
「頑張ってんじゃん。1人で何回もイヤガラセに耐えたりして」

その言葉に、あたしはハッとした。
晴は今までのイヤガラセにも全部気が付いているんじゃないだろうか?