かくして【ツインズ】晴と付き合うことになったあたしだったけれど、私生活にほとんど変化は訪れなかった。
相手は芸能人だからデートらしいデートはできないし、学校にいるときはいつも通り付き人として過ごしていた。

けれど、時折感じる晴の視線やメールでのやりとりが追加されたことなどで、あたしは不安になることはなかった。
付き合っていると公言できる仲ではなかったけれど、それはそれで満足していたのだ。

しかし、妙な事に付き合い始めて１カ月が過ぎたあたりから、あたしと晴は付き合っているのではないかというひそかな噂が立ち始めていた。
あたしはその日【ツインズ】の昼ごはんを買うため購買に並んでいた。

すると後ろからツンツンと誰かにつつかれ、振り向くと誰もあたしと目を合わさない。
自分の勘違いかと思い再び列の前へと視線を戻すと、やはり背中をつつかれる。
振り向いても誰も視線を合わさない。