今日は球技大会の日だった。
近隣の高校生たちが集まり、各球技を争うイベント。
俺と圭が参加するバスケットは秋原高校の体育館で行われる。

大して移動する手間がないのが、いいところだ。
少し早めに来て着替えをしていた俺は、圭からこんな話を持ちかけられていた。
「今日の球技大会、どちらが相手チームに多く得点を入れられるか勝負しない?」

それは突然の申し出だったけれど、俺は勝負事は嫌いじゃなかった。
むしろ、そういった条件が付く方が燃えるんだ。
だから「あぁ、やろう」と、簡単に引き受けたのだ。

しかし……。
次に圭から発せられた言葉は衝撃的なものだった。
「どうせだから、カヤちゃんを賭けた勝負にしない?」

無邪気な子供のようにそう言う圭。
「カヤを賭ける……だと?」