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それから数時間後、カヤが家にやって来た。
ここに来るのが初めてのカヤは玄関先で目を輝かせながら周囲を見回し「へぇー」とか「ほぉー」とか、よくわからない声を発している。
「なにしてんだ、入れよ」

俺が促すと、カヤは明らかに緊張した様子で「お、おじゃましましゅ！」と、噛んでいた。
「で、こいつ誰？」

カヤの後から当然のように入ってくる男を阻止し、俺はカヤへそう言った。
「あ、あたしの彼氏！　今日はちょっと色々と事情があってね！　実は彼氏のお母さんが【ツインズ】の……」

カヤが説明を続ける中、俺はその男を睨みつけた。
どこかで見たことがあると思ったら、カヤの彼氏か。
そして桜美の一味……。

「はじめまして！　やっぱりカッコイイですね！」
男はそう言い、ニコニコと笑う。

表面上だけの笑顔だ。
俺は今まで何度もこんな嘘臭い笑顔を見てきた。
だから、本気かどうかくらいすぐに見抜くことができる。