ホテルへ帰ってからも俺のイライラはぬぐい切れずにいた。
どうしてイライラしているのか、自分自身でもわからない。

シャワーを頭から浴びながら、俺は「クソッ」と、小さく毒づいた。
カヤなんてそこらへんにいる女となにも変わらない。
容姿は上出来だが、それも理解していないやぼったい女だ。

わかっているのに、なぜだかカヤが気になってしまう。
そして圭はそれを理解している。
だからわざとらしく俺を逆なでしてくるんだ。

今の俺は圭の手のひらでいいように泳がされている。
それがくやしてくて、俺はまた「クソッ」と、毒づいたのだった。