「あんたバカなの? オトすっていうのは恋に落ちるってことよ」
「こ……い?」
今度はあたしがキョトンとしてリーダーを見る。
「そうよ。先に自分に惚れさせたほうが勝ち……」

リーダーが言葉を続けているけれど、あたしは我慢できなくてブハッ!と拭き出した。
恋!?
恋ぃ!?
あたしと【ツインズ】のどちらかが?

ありえないんだけど。
そんなことがあったら天変地異なんだけど!
あまりにも可笑しくてお腹を抱えて笑うあたし。

「な、なにがそんなにおかしいのよ!!」
「だ……って! ないもん! 絶対ないもん!」
あはははっ!

と笑い声を挟みつつあたしは言った。
いくら【ツインズ】が日本中で一番のアイドルだろうと、あたしはそんなこと興味ない。

それに、何度も言うようだけどあたしにはハジメがいる。
「あっそう、それならいいのよ」
あたしの笑いがツボに入り止まらなくなったのを見て、3人は諦めたように教室へと戻って行ったのだった。