教室で怒りを爆発させたあたしは、気持ちを落ち着かせるために屋上へと来ていた。
屋上は灰色のフェンスが四方に張られているだけで、特に目立つものはなにも置かれていない。

あたしは晴の態度を思い出しまた胸の奥からムカムカがせり上がってくるのを覚えた。
フェンスに両手をかけ、スゥっと息を吸う。
「晴のバッカヤロー!!!」
まるで海に叫ぶように大きな声でそう叫ぶ。

あたしの声は近くの山にこだまして、何重にもなって響き渡った。
そのこだまを聞くと、少しだけ心の中がスッとする。
「信じられない。昨日自分から机を拭けって言っておいて、従ったらバカ扱いって、どういう事!?」