「いつでも連絡して来ていいから」

「……はぃ」

「来週も、誘っていいってことだよね?」


 あっ……。

 私は、嬉しくて、大きく頷いて答えた。


「……」


 真間さんは、天井を仰いで大きく息をつくと、もう一度真っ直ぐ私を見た。


「……氷室さん、目を閉じて?」


 えっ?

 ふんわりと微笑む真間さんに誘われて、私は、少しだけ身構えて、目を閉じた。

 両肩に、彼の手が優しく触れて……。

 ?

 顔を上げた瞬間、唇に、やわらかい感触がした。


「あっ……」


 まるで、初めてするみたいに、少し触れるだけのフレンチKISS。


「順番、少し違っちゃったけど、オレと付き合ってくれませんか?」


 えぇっ!?

 私は、突然の事に信じられない想いで真間さんを見て、優しく細められたチョコレート色の瞳を確認した。

 嘘みたい、……でも、嘘じゃない?


「……こちらこそ、宜しくお願いします」


 わたしは、嬉しい気持ちいっぱいで頭を下げた。