クセのある御曹司を助けたら「運命だ」とか言われました。




「分かったって。今度紹介するからー。鼓膜敗れるかと思ったし、クソ親父」


 澄人さんは余計でしかない一言を付け加えて電話を切った。次に会話をする時、また怒鳴られるんだろうなとヒヤヒヤしたけれど、でも、「これくらい言わなきゃ親父に良いように丸め込まれるから」と、すぐ状況判断ができる姿は澄人さんらしいな、とも思った。


 澄人さんと出会って最初の時感じたことを今ふと思い出した。


「私、澄人さんから出会った最初に『運命だ、結婚して』って言われたの結構ツボだったんです。クセが強い人だなって……」

 思い出しながらクスクス笑っていると、澄人さんもその時のことを思い出したようで顔を赤くした。 耳まで赤くして口元を洋服の袖で隠す澄人さんが愛おしくてたまらない。


「いや、俺……本当に急ぎすぎた。でも、そんなにクセ強くないって分かったろ?」

「いえ、今でも変わらず十分クセ強いです。でも、それが澄人さんの長所で、私の憧れです」


 ーー私は澄人さんのなんとも表現しにくいこのクセが、

 出会ったときも、今もこれからも、きっと、好きで好きでたまらない。



◆END◆