頭をポンポンと撫でてくれる澄人は「こんなに飲ませて無理させちゃってごめん」と私を気遣った。
「俺、先に出て付き添ってくれる人呼んでくるから。休憩しながらゆっくり入りな」
「はい、ありがとうございます!」
澄人さんは腰にタオルを巻き温泉から上がってお風呂場を後にした。澄人さんが出たと同時に浴槽の縁に腰を落として一息つく。まさか温泉を一緒に入ることになるとは思いもしなかった。
まだドキドキと胸が激しく高鳴っている。
これは多分、ワインを飲んだからとかではない。
澄人さんは優しいし面白い。御曹司なのに浪費家でもない。非の打ちどころがない完璧な人だ。
ーー勇気を出して澄人さんに「好き」と伝えていいのだろうか。今では澄人さんが他の人とお付き合いすると考えただけで胸が酷く苦しくなる。
今なら分かる。
ーーこれは嫉妬だ。



