つぐむちゃん、口を開けて。



 ふわふわの夢心地。

 千鶴くんに軽々持ち上げられたわたしは、いつの間にかベッドの上に沈んでいた。



「大好き、つぐむちゃん……いっぱい俺に甘やかされてね」



 ほんのり上気した千鶴くんが隣に寝転ぶ。

 顔が近付いてくるから、恥ずかしくなって目を閉じた。



「よしよし、ぎゅー……はぁ、小さくて柔らかいね……」

「……っ、」

「苦しくない? 大丈夫?」

「……うん」



 少しずつシャツが大きく広げられて唇が首から肩に移っていく。



「……ちゅ、ん……すきー……」

「……っ、っ」



 わたしも、好き。

 好き、大好きです。


 言おうとするのに、喉で言葉が引っ掛かる。


 あぁ、今回も上手くいかなかった……。