つぐむちゃん、口を開けて。




「全部は外さないから、安心してね」



 全部でもいいのに……。

 言葉にできるはずもなく、一回こくりと頷く。


 頑張ったね、とか安心してね、とか、千鶴くんはまるでわたしか千鶴くんに触れられるのに抵抗があるかのような言い方をする。

 あるわけ、ないのにな。

 口に出せたら解決することなんだけどな。



「つぐむちゃん、肌すべすべ」

「ぅ……」

「きもちー……。口もぷにぷにで柔らかいしね……ん」

「っ、……んっ」

「もっと声聞きたいなー……?」



 開いた首元から手が入り込み、指の腹で鎖骨をすりすり撫でる。

 感触を確かめるだけだったキスはだんだん深さを増していく。



「ふ、みぁ、……っ」

「わ、へへっ、ネコちゃんみたい。かわいーねぇ」