「輝悠先輩……?」


今、輝悠先輩の声が聞こえた気がした。


もちろん、輝悠先輩は出かけていていないから、気のせいだと思うけど……


「何だろう、この嫌な胸騒ぎは……」


不安で不安で仕方なかった。


1人、輝悠先輩の部屋で頭から布団を被ってその日は眠った。





次の日。


もう昼になったけど、輝悠先輩はまだ帰ってきていない。


どうしたんだろう……?


いくらなんでも、遅すぎる。


「未珠さん、どうしたんスか?」


ぼんやりとしていると、隣にいる塩野さんから声をかけられた。


いけない、今は1人じゃないんだから……


「あ、もしかして輝悠さんが心配なんスか?」


「バレちゃいましたか……」


「そりゃそうッスよ。俺だって輝悠さんのことが心配なんス。ほんと今どこにいるんスかね」


彼は最近久我組に入ったという塩野朋喜さん。