俺は今、龍島組が待つ○○倉庫に向かっていた。


このことは父さんしか知らない。


きっかけとなったのは1枚の手紙、いや果たし状だった。


『父さん、何かあったの?』


呼び出された俺はさっそく話を切り出した。


『お前宛の封筒だ』


『封筒?』
 

『あぁ、今朝すれ違った女にお前宛だと封筒を渡されてな』


父さんの顔が妙に神妙なのが気になった。


ただの封筒なら、そんな表情になるはずがない。


渡された封筒の表には久我輝悠様へと宛名が書いてあり、封筒の端は龍が描かれたシールで留められていた。


これは、もしかして……


封筒の中から手紙を取り出すと、そこには……


【明日の夜に○○倉庫に1人で来い。来なかったら、どうなるか分かってんだろうな?】


と脅し付きで書かれてあった。