「ごめんね。起きたら、こんな可愛いところ見られないと思って」


心のこもっていない謝罪ほど響かないものはないよね。


しかも、意味分からないこと言ってるし……


可愛いって、どこが……?


「じゃあ、未珠ちゃん。おはようのキスして」


離してくれないまま、にこりと笑ってそんなことを言った。


おはようのキスって……


何言ってるんですか?って言えたらよかったのに、顔が紅潮して何も言えなくなった。


「してくれないの?」


意地悪すぎる……


輝悠先輩はどうせ揶揄ってるだけ。


なら、逆にキスすればいい。


覚悟を決めて、キスをしようとしたその時……


「朝だよー、輝悠、未珠ちゃん!」


潤さんが部屋の中に入ってきた。