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「もうそろそろ帰ろっか。家、教えてくれる?」
「あ、はい。分かりました」
もう帰っちゃうんだ……
そう思ったら、寂しい気持ちになった。
せっかく先輩と会えたんだから、もっと一緒にいたかったなぁ……
でも、そんなこと言って先輩を困らせたくないから。
絶対に言えない。
「あ、そこを左に……」
「おい、止まれ」
私の言葉は誰かに遮られた。
振り向くと、柄の悪い男の人が2人。
何だろう……?
「吉田、上松」
どうやら、久我先輩とその人達は知り合いみたい。
こんな柄の悪い人と知り合いって、何だか意外……
「まさかお前達がスパイだったとは……」
驚いた顔をしている久我先輩。
この人達とはどういう関係なんだろう……?



