緊張するけど、何とか食べる。
「実際美味しいですから。こんな美味しいケーキ食べたの初めてです」
「そう言ってもらえたら、パティシエの人達も作り甲斐があるだろうね。喜んでもらえたようでよかったよ」
「はい。久我先輩には本当に感謝しています。こんな美味しいケーキを食べさせてもらえたんですから」
これは本当に思っていること。
久我先輩はお詫びと言って私をここに連れてきてくれたから、食べることができたんだ。
食べることができるとは思っていなかったから、本当に嬉しい。
「……ほんと可愛いね」
「へっ……」
可愛いって言った……?
いや、気のせいだよね。



