身長差25㌢の、私と彼。


「え、結城くんもここに座ると?」


自分のリュックも荷物棚に載せて私の隣に座ろうとした結城くんを見て、私が思わずそう尋ねると、結城くんがちょっと怒ったような表情になった。


「…いやなん?」


「い、いえいえ!決してそんなことは!」


結城くんの気迫に押されてブンブンと目の前で手を振ってみたものの、結城くんは、はぁと溜息をついて、座ろうとしていた私の隣の席から離れ、後ろの2人がけの席に移動した。


結城くんは後ろを確認してから座席を少し倒すと、そのまま目をつむってしまった。


後ろを振り返って立ったまま、その様子を見ていた私は、なんだか申し訳ない気持ちになった。



皆から離れて行動してしまった私を探してくれて、


新幹線に乗り遅れたけど、冷静に対応して無事帰れるようにしてくれて。


こんなに面倒みてもらったのに、隣に座ろうとした彼を別の席に座らせた私、ちょっと、ひどくない?



とりあえず席に座って、座席の隙間から後ろを覗いて、正面から様子を伺ってみた。


すると。