私の横、牧村さんが口角をあげて微笑んでいる。
でもバレバレです。
牧村さんも、吸血鬼が怖くてたまらないんですよね?
声はたどたどしいし、瞳はオロオロしているから絶対にそう。
そりゃぁ、吸血鬼さんに追いかけられるのは避けたいけど。
鍵探しを手伝わずに一人で逃げたら、絶対に後悔する。
牧村さんは、鍵が見つからないと家に帰れないわけだし。
覚悟を決めて。
「だだっ、大丈夫です。鍵を探すために下を向いていれば、吸血鬼なんて視界に入りませんから」
通路に寝ころんでいるあの吸血鬼さんは、瞳に映さなければなんとかなる!



