ドロ甘な愛を稀血に溶かして



部屋に入って10歩目。

早くも、私の足が止まってしまった。


だっていらっしゃるんだもん。

15メートルくらい先に。

私たちが今から歩く通路のど真ん中、目をつぶったまま寝ている吸血鬼さんが。



横を通り過ぎようとしたら、ガッと目覚めて追いかけてくるパターンでしょ?



吐きそうなほど怖い。

膝がガクガクで、足が動かなくなっちゃった。




「みおりん、大丈夫?」


「……はっ、はい」


「震えてるじゃん。怖いんでしょ?」


「……いえ」


「俺に気を使わなくていいよ。一人で鍵を探すから、みおりんは戻りなね」


「……でも」


「鍵をなくしたのは俺の失態なんだ。巻きこんじゃってほんとごめん。ここまで付き合ってくれただけで、もうじゅうぶんだから」