ドロ甘な愛を稀血に溶かして


修学旅行の前、クラスメイトが話していたのを聞いた。

3階建ての建物の中を歩いていると、人間の血を吸いたくてたまらない吸血鬼たちに追いかけまわされるらしい。



吸血鬼が偽物だって、わかっているよ。

バイトのキャストさん達が、お客さんを怖がらせるために演じているだけだって。


わかってはいるけれど……


このお化け屋敷、ホラー度強すぎじゃないですか?



手首に巻かれたフリーパスのリストバンドを入口のスタッフさんに見せ、牧村さんとうす暗い部屋の中に入ってみた。

真夜中の呪われた廃墟に、足を踏み入れてしまったような不気味さに背中がゾクっ。

後悔先に立たずとは、このことなんだと思う。



明りといえば、ところどころ赤光りしている程度で。

闇×血の色は地獄を連想させるからなのか、身震いが止まらない。