ドロ甘な愛を稀血に溶かして

道路わきにしゃがみ込んだまま、俺は美織ちゃんの上半身を抱きかかえようと手を伸ばす。

でも、大好きな子を抱きしめられなかった。

俺の体にガツンと衝撃が走ったから。



鈍器で殴られたわけでもない。

車がぶつかってきたわけでもない。

それなのに俺は、背中から地面に倒れこんでしまった。



体中の全細胞がバッと目覚めたような鋭い痛みに、全身が襲われる。

血液が煮えたぎりだしたように体が熱くなり、思考が鈍りだした。



呼吸が苦しい。

息ができない。

なんとか空気を取り込みたい。


力が入らない口をなんとか開いてはみたが、ハァハァと二酸化炭素だけが排出されてしまう。



インフルエンザで寝込んだ時よりも、体が言うことをきかないなんて。

俺の体は、どうなってしまったんだろう。




――この匂いは?