『一緒に行きたいって言われたら、断れないから……』
『えっ?』
『遊園地は……環くんと二人だけがいい……』
肩まで伸びる黒髪を指でこするのは、美織ちゃん流の照れのごまかし方なのかもしれない。
『あっ、お母さんはついてきちゃうんだった。でも、遠くから見守るくらいにしてもらうから』
両手の拳をぶんと降り、美織ちゃんはベンチから立ち上がると
『さっそく、お母さんに遊園地のことを伝えてくる』
道路に向かって走り出した。
んー。
今、言いに行かなくてもよくない?
もっと俺とおしゃべりしようよ。
と思っちゃうけれど
――美織ちゃんと、遊園地に行ける!
俺の心は浮かれすぎていて
――遊園地デートなんて初めてだよ!
楽しみが募りすぎていて、ニヤニヤがおさまらなくて困るほど。



