『座って』
手で案内するようにすすめたのは、3人掛けのガーデンベンチ。
『……じゃぁ』
戸惑いながらも美織ちゃんが座ってくれたのを確認して、俺は優しい王子様スマイルを浮かべた。
『あったかい紅茶を持ってくるよ。美織ちゃん、待っててね』
『環……くん……』
さっきからどうしたの?
恥ずかしそうにモジモジして。
『チョコケーキ……どうぞ……』
もしかして……
『この大きな紙袋ごと、俺がもらっていいの?』
『……うん』
袋の中身、全部俺のってこと?
『環くんはちっちゃいころからチョコが好きでしょ?……3段のチョコケーキを焼いてみたんだけど……スポンジを全部乗せたら、ちょっと傾いちゃって……見た目……変になっちゃって……』



