ドロ甘な愛を稀血に溶かして




小4になったころから、美織ちゃんが他の男子に奪われないか心配でたまらなくなった。



同じ学年の小4男子はみんな、『男』って顔つきに変わってきている。

筋肉だってついてきて。



でも俺は、相変わらずのお姫様フェイス。



『キミ可愛いね』


『君ならトップ女性アイドルになれる。うちの芸能事務所に入らないか?』


男子っぽいファッションで街を歩いていても、女子に間違われてしまうほど。

いくら家で腕立て伏せをしても、筋肉なんてものはつかないし。



はぁぁぁぁ~

俺だって、オス感漂うワイルド系男子に生まれたかったよ。

自分のダメダメ部分に目がいって、劣等感と戦ってばかり。



はっ!

俺はまた、暗い顔をしてる。

せっかく美織ちゃんが、バレンタインチョコを届けに来てくれたのに。

嫌われないように、笑顔を作らなきゃ!



玄関ドアが閉まらないように手で押さえているのがうっとうしくなり、俺は外に出た。

真冬でも色とりどりの花が咲き乱れる庭に、美織ちゃんを連れていく。