美織ちゃんが羽織っていたのは、真っ白でAラインのプリンセスコート。
ふわふわモコモコのファーが、裾と袖に一周グルっとまきついていて。
黒いミニスカートに合わせているのは、ショート丈の真っ赤なブーツ。
俺に会うために、オシャレをしてきてくれたのかな?
なんて、飛び跳ねて喜びそうになったけど。
やっぱり違うかも……
俺は美織ちゃんの全身を観察するように、上から下までジロー。
大事そうに抱えている紙袋が、やけに大きすぎないか?
何かがパンパンに入っているみたいだけど。
俺一人分のチョコなら、手のひらサイズの紙袋でじゅうぶんだろうし。
あっ、そういうことか。
俺とバイバイしたら、他の家にもチョコを配りに行くんだ。
美織ちゃんは学校で、たくさんの男子にチョコをねだられていたし。
そっかそっか、俺だけじゃないのか。
急に悲しみに襲われた俺は、キープ中の笑顔が引きつってしまった。



