ベッド横にある椅子に座っている環くんと、視線が絡んだ。
驚いたように目を見開いて、まっすぐに私の瞳を見つめている彼。
ピクリとも動かない。
私を見つめたまま、マネキンのように固まっている。
でも彼の大きな黒目から大粒の涙がこぼれていて、つられたように私の涙腺も緩みだしてしまった。
「よかったぁ……美織ちゃんが……」
「ねっ、言ったとおりでしょ? 環、涙拭きな」
「だっだから、泣いてないから!」
「ほんと素直じゃないなぁ。洗ったみおりんの制服も乾いたみたいだから、二人で観覧車にでも乗ってくれば?」
「牧村さんに言われなくても、美織ちゃんと二人きりになれる場所に行くし」
「みおりん。たくさん怖い思いさせちゃって、ごめんね」
「話を聞いてましたから。牧村さん達は、全部私たちのためにしてくれたんですよね」
「まだ集合時間まで半日ある。修学旅行の素敵な思い出を、二人でちゃんと紡いでおいで」
「はい」



