「それまでの俺は、自分のことしか考えてなかった。吸血鬼という呪いから逃げたくて、他人なんて見てなかった。でも不思議だよな。他人のために俺も何か役にたてるのかも。そう思ったら、地面ばかり見ていた俺の視線がスッて上がって。いつか環って子にあったらアドバイスできるように、ジタバタもがいてみようかななんて思うようになって。だから名簿に君の名前を見つけた時は、自分の使命を果たす時が来たって思ったよ。調べたら案の定、キミは吸血鬼の血に悩み、鬱の闇をさまよっている感じで。君の目に輝きを取り戻させるには、ちょっと乱暴なことをしなきゃダメかなって思ってしまってね。お化け屋敷に誘い込んだはいいものの、美織ちゃんが自ら沼に飛び込むなんていう、危険極まりないものになってしまったけど。アハハ~」
「アハハって、笑い事じゃないから。牧村さんは、美織ちゃんを沼に投げたじゃないか」
「環が助けに来てたのがわかったから、まぁ大丈夫だろうって」
「計画が雑すぎなんだよ」



