ドロ甘な愛を稀血に溶かして


「いらない。食べ物が喉を通るわけがないでしょ? 美織ちゃんが心配で心配で……」


「こら環、イライラ顔でメニュー表を投げ捨てないの。反抗期? カルシウム足りてないんじゃない? じゃあ環のお昼はカルボナーラに牛乳ってとこで」


「いらないってば。牧村さんは反省してください」


「俺が反省? なんで?」


「美織ちゃんが自ら沼に飛び込んだのは、牧村さんが俺たちを試すようなことしたせいだから」


「だからゴメンて謝ってるじゃん。何度も何度も」


「死ぬまで許さない。絶対に」


「環は心が狭いなぁ。俺がこの遊園地の園長になって初めてだったんだよ。吸血鬼と稀血(まれち)誘い人(いざないびと)が遊びに来てくれるの。修学旅行生の名簿を見せてもらった時に、君たちの名前があって感動したんだから。どうせなら、一生の思い出に残る修学旅行にしてあげようって、親心みたいなものが生まれちゃうに決まってるでしょ?」