ドロ甘な愛を稀血に溶かして


牧村さんは鉄パイプを手のひらにポンポンしながら、勝ち誇った顔で環くんに歩みよっている。



「ねぇキミ、(たまき)くんって言ったよね? みおりんを死神に差し出すの、やめて欲しい?」


「お願い。美織ちゃんに危害を加えないで」


「どうしよっかなぁ~ さっきまで俺、環くんに木刀で狙われてたしなぁ。そんな都合のいいお願いされても、許せないよなぁ」


「……っ。ごっ、ごめんなさい。謝るから。土下座でも何でもするから」


「じゃあ、こういうのはどう? みおりんの代わりに、環くんが生贄(いけにえ)になる」


「俺でも……いいの?」


「君は誘い人(いざないびと)ではないけれど、吸血鬼でも生贄として喜んでもらえるんだ。そうすれば、みおりんが沼に飛び込む必要はなくなるね」


「俺が生贄(いけにえ)になったら、美織ちゃんの命は保証してくれる?」


「約束しよう」