ドロ甘な愛を稀血に溶かして


よし、このプランで!



私はパイプ椅子を握りしめた。

牧村さんになるべく見つからないように、物の影に隠れながら距離を詰める。



でも、私の考えは浅はかだった。

なんでこの場所に、牧村さんの味方が一人もいないって思いこんじゃったのだろうか。

私の足が止まったのは、誰かにパイプ椅子を奪われたから。



状況が読み込めなくて、ボーっと突っ立ってしまった私。


「美織ちゃん!」


遠くから聞こえてきた環くんの叫び声でハッとした時には、すでに遅し。

沼のすぐそばにパイプ椅子が置かれ、私は沼に背を向けるように椅子に座らされていた。