ドロ甘な愛を稀血に溶かして


「この木材、けっこう丈夫そう。木刀として使えるか。 美織ちゃんダッシュの準備は良い?」

「えっ……あっ、うん」


「いくよ。ゴー!」



うわっ。

言われた通り、猛ダッシュしなきゃ。



私は駆けだした。

丸い沼の周りを半周して、胸の高さほどの(ほこら)の後ろにしゃがみ込む。



牧村さんは紅色のジャケットを脱ぐと、黒シャツの袖をまくり

「木の角材なんかで、俺に勝てると持ってるの?」

壁に立てかけてあった金属パイプを握りしめた。



環くんと牧村さんが、武器を構えながら対峙している。



どうしよう。

環くんがやられちゃう。


だって相手が持ってるの、鉄パイプだよ。

頭にあたったら、即死しちゃうかもしれないじゃない。