「この世はネット社会だ。磨きに磨きまくったハッキング能力のたまものだね」
「じゃあ美織ちゃんは、世界中の吸血鬼に稀血を狙われてしまうってことか……」
「その点は安心していい。他の吸血鬼には、みおりんの正体なんかバラさない。俺は稀血なんてものに興味はないんだ。生きたまま清住美織を死神に奉納することだけが、俺の使命。吸血鬼たちにみおりんの血が全て吸い取られてしまたら、俺は自分の使命を全うできなくなるからね」
「美織ちゃんは絶対に渡さない」
「悪いけど、みおりんには死神の生贄になってもらう。200年の一度の逸材なんだ。彼女を逃したら、次にいつ稀血の誘い人がこの世に生まれるかわからないからね」
「美織ちゃん、俺がゴーって言ったら走って。この沼の後ろに祠があるでしょ? あの陰に一旦隠れてて」
「……環くんは?」
「目の前の吸血鬼を俺が足止めする。その間に、お化け屋敷の外に逃げるんだ。このお化け屋敷は今、誰も入れない状態になっている。遊園地のスタッフも、吸血鬼の協力者かもしれない。先生を探して、先生と一緒に行動して。絶対に一人にならないで。あとこの状況は誰にも言わないで」



