勢いをつけるように私の体を前後に揺らした牧村さんは、いちにのさんで私から手を離した。
私の体が宙を舞う。
自分が死神の生贄になるなんて、考えてもいなかった。
小学校低学年までは
「美織ちゃん、今日も俺と二人だけで遊ぼう」
私を独り占めしようとする環くんがそばにいてくれるだけで、嬉しかった。
18歳になったら、環くんのお嫁さんになれる。
HAPPYな未来が待ちどうしくて、ウキウキが止まらなかった。
ねぇ環くん、なんで私のことを嫌いになっちゃったの?
婚約が嫌になっちゃったの?
環くんが吸血鬼だったことと関係がある?
私が『死神の生贄』って知って、嫌になっちゃった?
それとも……



