「いらっしゃいませー」

深夜のコンビニのアルバイトは、あまり人と会うことがなくて気持ちが楽だ。

たまに入ってくる客に挨拶して、レジを打つ。
あとは品出しと賞味期限の確認、機械の掃除がメインの仕事。
シフトに入る曜日よって、外の掃除もやる。

誰かと話すより、体を動かして作業するほうが、僕にとっては楽だ。
夕方に一度だけヘルプで入ったことがあるが、高校生が大量に入ってきて頭がクラクラしてしんどかった。
二度と入りたくないって思ったね。

「お疲れ様です」

朝方の人と交代して、控室に入る。

賞味期限で廃棄する予定のお弁当を食べてから、自転車に乗って、自宅に帰る。

社員の人に、持ち出さなければ廃棄予定のお弁当食べていいって言われてから、出勤したら必ず食べてから帰るようにしてる。

深夜なら、あまり人と会わなくていいし、黙々と作業するのは、思っていたよりも得意みたいだ。

黙々と作業をしてれば時間が来て、給料が入って、ご飯も食べれて最高だな、そう思った。

「はあ…」

椅子に座って、深くため息をついた。

23歳。一体、何してるんだろうか、僕は。

大学は一年留年して、同い年とは一年遅れの就活なんて、初めからやる気が出なくて、取り損ねた単位だけしかないから、深夜のアルバイトを週4しちゃってるぐらいには、人生諦めてる。

どうしても、就活なんて…と思ってしまうのが現実。

こんな僕は、社会に馴染めない、いや、絶対に馴染めるわけがない。
底辺にいる、ただの人間。