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次の日の早朝。
いつも通り、学校に着いてすぐに、私はカバンから小説を取りだして、それを読み始める。
今、私が読んでいるのは、18世紀に書かれたフランスの文学作品――『美女と野獣』。
私が今までたくさんの本を読んできた中でいちばん愛してやまない物語だ。
このお話があまりにも好きすぎる私は、日本語だけでなく、英語やフランス語でも何度も読み返している。
おかげで、英語とフランス語は辞書がなくても読めるようになった。
本を読むときはいつも速読するのだけど、このお話は特別時間をかけてゆっくりと読む。
そうすることで、この物語の世界にどっぷりと浸ることができるから。
だけど、しばらく本の世界にのめりこんでいた――そのとき。
「きゃあ~~っ!!」
突然、ご令嬢たちの黄色い歓声が上がった。
おかげで、耳がキーンとなる。
その瞬間、無理やり現実世界へと引き戻された。
あぁ……。
もう来てしまったんだ……。



