顔、近すぎるんですけどっ!
「な、なんですか?」
「どうして、キミは俺と豹のフェロモンに当てられてないの?」
は、はいっ!?
チャラ男くんの発言が理解できなくて、一瞬固まる。
「あ、あの……それはいったいどういう意味ですか?」
まるで“俺たちに堕ちない女子はいない”って言われているみたいだ。
「実は、俺と豹って生まれつき女の子たちに好かれる体質をしているみたいでね。自然と女の子たちが集まってきちゃうんだよ」
うわぁ……。
この人、自分から“モテます”って言っちゃうタイプなんだ……。
やっぱり、この人苦手だ……。
「キミは、俺と豹を前にしてなんともないの?」
「あるわけないじゃないですか! ふたりとも普通の人たちと何も変わりませんよ」
「えっ!? 嘘っ! 俺たちから甘ったるい匂いしない?」
「甘ったるい匂い?」
「そう。女の子たちが口を揃えてそう言うんだ。その匂いがすると、異常に俺たちが欲しくなるって」
「……っ!!」
チャラ男くんの言葉に、突然体が熱くなった。



