青空の下、きみと一緒に。

「水科さん、どういうこと⁉」


耳にキーンと響く甲高い声に、私の背筋がビクッと強張る。


リレーの後、またもや私は「ちょっと来て」と一軍女子グループに呼び出されて、体育館裏に連れて行かれた。


「あんたのせいで、うちのクラス最下位だったんだけど」

「高2にもなって、何もない所でコケて、バトン落とすとかどんなギャグ?」

「みんなで1位取るって決めたって言ったよね?」


本気で怒る声やせせら笑う声に、情けない私はか細い声で「ごめんなさい……」と謝ることしかできない。


私は頑張った。これ以上ないぐらいに頑張った。


でも、プレッシャーに負けて結果が残念なものになってしまったら、それは頑張ってないのと同じことなんだろう。


「花澄先輩……って、ちょっ⁉ 大丈夫ですか⁉」


突然、あわてたような大声と、こちらに急いで駆けてくるような足音の後。


誰かが両手を広げて、一軍女子たちの前に立ちふさがった。


見覚えのあるサラサラのミルクティー色の髪。


すらっとした細長い手足。


後ろ姿だけでもわかる。千賀谷くんだ。