「千賀谷くんやめよう? ねえやめよう⁉」
「やめません。これで走ります」
「無茶言わないでよ! お願いおろして! みんな見てるから! 先輩のお願い!」
「あーもうっ! ごちゃごちゃ言わずにしっかりつかまっててください!」
まだ話の途中なのに、千賀谷くんは私にかまわず走り出した。
何でこんなことになっちゃったんだろう?
というか、千賀谷くんがめくった紙に書いてあったお題に、どうして私が必要だったんだろう?
ふと気になったこのタイミングで、私の足をかかえる千賀谷くんの人差し指と中指の間に、お題の紙が挟まっているのが見えた。
一応、この状態で読めそうだ。
えっと、なになに……。
「『世界で一番好きな人』……って、私っ⁉」
「やめません。これで走ります」
「無茶言わないでよ! お願いおろして! みんな見てるから! 先輩のお願い!」
「あーもうっ! ごちゃごちゃ言わずにしっかりつかまっててください!」
まだ話の途中なのに、千賀谷くんは私にかまわず走り出した。
何でこんなことになっちゃったんだろう?
というか、千賀谷くんがめくった紙に書いてあったお題に、どうして私が必要だったんだろう?
ふと気になったこのタイミングで、私の足をかかえる千賀谷くんの人差し指と中指の間に、お題の紙が挟まっているのが見えた。
一応、この状態で読めそうだ。
えっと、なになに……。
「『世界で一番好きな人』……って、私っ⁉」


