青空の下、きみと一緒に。

私は手を横にふった。


千賀谷くんと手を繋いで走るなんて……スピードの差が天と地レベルだから、私の足がもつれて転ぶ未来が簡単に想像できる。


「どっ、どうしよう……」

「大丈夫です。いい方法があるんで」


困惑する私に、千賀谷くんはにっこり笑った。


安心させるっていうより、何かを企んでいるような笑顔。


何考えてんだろ? と思った直後、私の体がふわっと宙に浮いた。


瞬間、今日一番の歓声と黄色い声がグラウンド中に響き渡る。


「さあ、先輩。走りますよ」

「走りますよって……、これで⁉」

「はい、これで」


いやいやいや。


もしかしなくてもこれって、完璧にお姫様抱っこだよね⁉