青空の下、きみと一緒に。

応援席に戻ると、同じクラスの子たちがこっちを見るなり、「あっ、水科さんだ！　おかえりー！」と出迎えてくれた。


「もー、どこ行ってたのー？」

「もうすぐ次の競技、始まっちゃうよ」


誰も私がリレーでコケたことを責めることなく、いつものように私に話しかけてくれる。


一軍女子たちは相変わらず応援席のすみっこに固まっていたけど、私を目が合ったとたん、気まずそうに視線をそらした。


千賀谷くんの言葉で思うことがあったのか、どうなのか。


こうなった理由が何なのかわからないけど、まあいっか。私を責める人はもういないから。


自分の席に座ったタイミングで、千賀谷くんたち１年生がグラウンドに入場して来た。


これから始まるのは、花形競技の１つである借り物競走。


千賀谷くんは先頭にいて、私と目が合うと、笑って手を振ってくれた。


でも、レーンに立つと、スッと真剣な顔つきに変わる。


見たことのない横顔に、鳥肌が立つような感覚を覚えた。


「位置について、用意――」