「さっきは、本当にありがとう」
ひとしきり泣いた後、私は千賀谷くんにお礼を言った。
「いえいえ、どういたしまして」
「それからごめんね。体操服、けっこうびしょびしょにしちゃって……」
「全然気にしないでください。俺は大丈夫……って、あーっ!」
「えっ、何⁉」
いきなり大声を出した千賀谷くんに、私はビクッと肩をすくめた。
「花澄先輩……、僕、もうすぐ出番なんです……。そろそろ入場門の前に並ばないと……」
「そうなの⁉ なら、もう行った方がいいよ!」
「わかりました! じゃ、いってきます!」
いってらっしゃい。と私が続ける前に、千賀谷くんはきびすを返そうとした。
かと思えば、突然ぴたっと止まって、こっちを向くと、
「花澄先輩。あまり無理は言いたくないんですけど……、僕のこと、応援してください。花澄先輩が応援してくれると思ったら、きっといつも以上の実力が出せると思うんで」
ひとしきり泣いた後、私は千賀谷くんにお礼を言った。
「いえいえ、どういたしまして」
「それからごめんね。体操服、けっこうびしょびしょにしちゃって……」
「全然気にしないでください。俺は大丈夫……って、あーっ!」
「えっ、何⁉」
いきなり大声を出した千賀谷くんに、私はビクッと肩をすくめた。
「花澄先輩……、僕、もうすぐ出番なんです……。そろそろ入場門の前に並ばないと……」
「そうなの⁉ なら、もう行った方がいいよ!」
「わかりました! じゃ、いってきます!」
いってらっしゃい。と私が続ける前に、千賀谷くんはきびすを返そうとした。
かと思えば、突然ぴたっと止まって、こっちを向くと、
「花澄先輩。あまり無理は言いたくないんですけど……、僕のこと、応援してください。花澄先輩が応援してくれると思ったら、きっといつも以上の実力が出せると思うんで」


