「以上を持ちましてーー高校文化祭を終了いたします。」


校内に放送が鳴り響いて文化祭は幕を閉じた。


ちなみにうちのクラスの出し物、変装喫茶はお客さんに投票した結果、No’1に選ばれるほど好評だった。

なんか"美少女やイケメン揃いできゅんきゅんした"という感想が多かった……らしい。


色々片付けなどをしていたら下校の時刻は5時になっていた。


依が彼氏と帰ると言うので私は1人で帰ろうかと靴箱で靴を脱いでいると
 

「あー、紅蘭チャン帰るとこー?」

「はい。」


ちょうど大城くんと会って自然と一緒に帰ることになった。


「んー。つかれた〜。」

「そうですね。楽しかった、ですか?」



満喫したように伸びている大城くんに聞くと


「うん。楽しかった。たまにはこんなふうにちゃんと参加して楽しむのもいーね。」

「はい。意外と楽しかったです。
文化祭ってただ準備とかが大変で自分達は客に振る舞うことで精一杯だと思ってましたけど回る時間もあって満喫できました。」

「そだねー。紅蘭チャンのメイド服も可愛かったし?


………ありがとね。」


うん?
何に対してのお礼だろう。


「何がですか?」

「一緒に回ってくれたのもそうだけど文化祭の話し合いしますよーとかせっかくなんだから楽しまないとーとか声かけてくれてさー。
紅蘭チャンがいなかったら多分文化祭楽しめてなかったと思うしー?」



そう思ってくれたなら良かった。
誘った甲斐があった。


「……………それなら良かったです。」



でも改めて言われると、やっぱり恥ずかしくて俯いた。


ゆったりと2人で駅に向かって歩いていると、



「あっ〜!凛じゃん!!!」



テンションの高い明るい声が後ろから聞こえた。


凛じゃん。って大城くんの知り合い?


「大城くん知り合いですか、っえ?」



どうしたの。

大城くんは後ろを振り向かずにただ驚いているようだった。

どこか顔色が悪い気がする。