どうせ連絡先交換するんだし、大城くんもあの子と回りたいのかな。

だったら止めない。


せっかくサボってないんだから一年生の文化祭楽しんでほしいし。



他にもこんなふうに大変な思いしてる人がこの学校にいるかもしれない。
迷子とかナンパとかもしくは人が足りなすぎるとか。

………1人で回ってそんなところ手伝おうかな。

とそう思った時、



「紅蘭チャン。」


呼ばれて俯いていた顔を上げると心配そうな顔をした大城くんが。



「どーしたの?具合悪い?あの子ならもう大丈夫だよ。」

「っ。大丈夫ですっ。
連絡先聞かれてましたよね?いーじゃないですか今度お礼〜なんて言わずに今からでも一緒に回ってこれば。私のことは気にせずにどーぞ。」



って。なに感情的になってるの……。
大城くんが誰と何しようが私には関係ないじゃん。



「あー、連絡先?断った。」

「え?」



断っ、た………?


大城くんが?女の子の誘いには乗る大城くんが?



「ほんとうに?」

「うん。だって紅蘭チャン待たせたままだったしー?別に紅蘭チャンが行こうとしてたから俺が代わりにってだけだったから。」


そう、だったんだ。


ホッと方の力が抜ける。


「それより行こうよ。なんか腹減ってきたー。」

「はい。」


頷いて次は食べ物を探しに歩き出した時突然大城くんが振り向いて


「ね〜。今のってもしかしてヤキモチ〜?」


ニヤッとして言ってきた。


は、はぁ?

ヤキモチ?ヤキモチって。


「ち、違いますよ。変なこと言わないでください。ただ大城くんがあの子と回りたいなら回った方がいいんだろうと思っただけです!」

「ふーん?」


「っ。もっ、行きますよ。」

「はーい。
まぁ、俺はあの女の子より断然紅蘭チャンの方がいいけどね?

今一緒に周りたいと思う子は紅蘭チャンだし?」



ストレートに言われて顔が赤くなる。


っ。騙されるな。きっと大城くんはいろんな女の子に言ってる。


言い聞かせて普通に振る舞うけど



やっぱりあそこまで言われたら少しだけ嬉しかった。