謎解き脱出ゲームにも挑戦して



「なかなか難しい。」

「だねー。紅蘭チャン並みに攻略が難しい。」

「私?何を………あっ、分かりました!」


2人で協力しながら前に進んでいく。


中にはこんな問題もあって。


【お互いのことをどれだけ知ってるかクイズ】


謎解きではないのでは?

と思ったけどこれを解かなきゃ前に進めないので。


運営の人が


「好きな食べ物は!はい。あなたの方からどうぞ!」


大城くんの好きな食べ物………。



「チョコレート?」


「さぁ、どうぞ!正解?不正解?どっちでしょうか!」


「正解ー。紅蘭チャン何で分かったのー?」


この前休み時間に美味しそうに食べてるのを見たから。


でもなんかそれを言うのはなんだか恥ずかしくて


「さぁ?」


と言っておいた。



ちなみに大城くんが私の好きな食べ物の質問で答えたのは

みかんだった。


実際みかんは好きだったので正解を言い渡すと
嬉しそうに笑っていた。



なんで分かったんだろう?



その他にも好きな音楽とか好きな色とか趣味とか6問ぐらいやって前に通してもらった。



そんなふうに文化祭を謳歌していると、



「ねぇ〜。いいじゃーん。一緒に回ろうよぉ〜。」

「ごめんなさい。友達がいるので。」



なんかこの状況前も見た気がする。

嫌がってるんだからやめろよ……とは思いつつも見過ごせるわけもなくその揉めている男女のところに行こうと足を向けると


「ちょっと紅蘭チャン。」

「はい?」

「俺、行ってくるからさー?ここで待ってなよ。」

「え………。」


そう言って1人で行ってしまった。

待っててって。



「おにーさん達学校の文化祭でみっともないですよー?その子嫌がってるのに。」

「はぁ?」

「運営の人呼んでもいいですよ。あ、それか警察にしますー?」

「チッ。」


男の人は去っていった。


待ってろっていわれたから私はその一部始終を見ているだけだった。


「あの、ありがとうございます。」

「いーえー?気をつけなねー?」

「は、はいっ!」



明らかに被害にあった女の子は大城くんに惚れた。

ほらだからね。

「あの、連絡先とか教えてもらっていいですか?お礼させてください。」


顔を真っ赤にしてお礼イコール次会う約束をしてる。


するんだろうな。大城くんだもん。


ていうか別に私が行けばよかった。
しつこくない人だったら私だってあんなこと言えば役に立てたのかもしれないのに。



なんか楽しかった上がってた気分が一気に急下降したみたいだ。


はぁ…………。



モヤモヤする。
なんなの。この気持ち。