結局、大城くんが午前の授業には一度も出ることはなかった。

昼休みになり、飲み物を買いに自動販売機に向かう途中で


「うーんっ!楽しかった!また遊んでねっ!」

朝に聞いた声がした。

その女の子の隣には……大城くん。

大城くんは私を視線に移すと、

「おっ、紅蘭チャンじゃん!
そんな険しい顔してどうしたの?」

「どうしたの、じゃありません。
授業さぼって何してるんですか?
ちゃんと出てください。」

「え~、じゃさ?明日だけでも授業ちゃんと出るから、紅蘭チャン今日の放課後、南棟の美術室まで来てよ。
俺待ってるからね?じゃ~ねん~」


呼び止める間もなく無駄にキラキラしている笑顔で去って行ってしまった。

放課後……

何で?でもそれで授業に出てくれるなら……


学級委員長として行くべきだ。



この決断が後で後悔することになるとは知らずに使命感に燃えたぎっていたのだった。