「この人達の曲いいですよね!
私も好きなんですよ!
歌詞が綺麗で、嫌なこと忘れられるっていうか。何もかも忘れてぼっーとできるんですよね!」

「………。」



大城くんはびっくりしたように目を見開いていてその姿を見た時、我に返った。


………あ。


「んっ、ごほんっ。
すみません人様の家で。取り乱しました。」


しまった。

最近大城くんと距離が近くなったからって油断していた。
相手はあの女遊びをする大城くんなのに。


そう思って慌てて平静を保つと。


「ふっ。はっ、はははっ。
紅蘭チャン。そんな顔するんだ?
キラキラした笑顔で、かわい〜。」

「なっ。またかわいいなんて。軽い。」

「だから、誰にでも言ってないかんね?
まあ、本当にいい曲出してるもんね。
そのバンド。
聞くと明るくなるよね。」


笑って言うからついつい私も。

「ですよねっ!」




今だけは全て忘れて大城くんと夢中になって好きなバンドの良さを語り合ったんだ。