真面目な委員長ちゃんはイケメンチャラ男に翻弄される。

「顔真っ赤。かわいー。
本当にキスしちゃうところだったよ。」

「へ、変なことしたらもう勉強教えませんから！」

「うん。だから我慢した。」


そう言って笑う大城くんはなにか愛しいものを見るような表情をしていた。



─────彼はきっと色々な人にその目を向けて自分のものにしてきたのだろう。


「でもさぁ、そんな可愛い顔して手出さない俺を褒めてほしいよ。また叩かれると思ったから。」

「あたり前です。というか、可愛いなんて誰にでも言ってたら本当にいつか痛い目に合いますよ。」

「誰にでも言ってると思う？」



可愛いなんてきっと誰にでも言ってる。


そう思って、スルーした。


「………勉強、始めてください。」



なんとも言えないイライラした感情が心を支配したけど、それには無理やり蓋をして平静を保ち続けた。